【本日のリマ】
使徒の働き２７章２２節
しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う人は一人もありません。失われるのは船だけです。
【追記】
カエサルに上訴したパウロは、囚人としてイタリア行きの船に乗せられます。
冬の地中海は、激しい暴風が吹き荒れます。
暴風の中にあって、船からは太陽も星も見えない日が何日も続きます。
船は、沈まないために、積荷や船具まで投げ捨てます。
パウロに同行していたルカは、《私たちが助かる望みも今や完全に絶たれようとしていた》と書いています。
・・・
そのとき、囚人の立場でありながら、パウロが、船の中の全員に向けて言います。
元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う人は一人もありません。失われるのは船だけです。（使徒の働き27章22節）
囚人の弱い立場であったとは、とても思えない言葉です。
パウロは、さらに言葉を続けて、こう言います。
ですから、皆さん、元気を出しなさい。私は神を信じています。私に語られたことは、そのとおりになるのです。（使徒の働き27章25節）
ここに、こころある人々と共にすべてを成される神様への信頼のきずな、すなわち信仰の強さがあります。
パウロは、囚人としての弱い立場にありながら、信仰ゆえに誰よりも強い立場で、周囲を力づけるのです。
・・・
このあと、船は座礁し、船は激しい波によって壊れ始めます。
囚人を監督していた兵士たちは、囚人たちが逃げることを恐れ、囚人たちを殺そうとします。
囚人を逃せば、兵士たちが死刑になる時代ですから、兵士たちにとっては窮余の策でした。
しかし、兵士を統率する百人隊長ユリウスは、パウロを助けたい思いで、兵士たちを制止します。
パウロの信仰の姿が、百人隊長の心を動かしたのです。
百人隊長は、海に飛び込んで板切れにつかまって陸を目指すよう、全員に命じます。
こうして、全員が無事に助かります。
囚人パウロの神様への信仰が、全員の生命を救ったのです。