身をもって知るバラム

【日々のリマ】

民数記,22章31節より
そのとき、主はバラムの目の覆いを除かれた。

【追記】

モアブの王バラクは、モーセの民が強く、その上、数がとても多いことを恐れました。

そこで、モアブの王は、占術師バラムに使者を送って、モーセの民を呪わせようと考えます。

バラムは、この依頼を断ります。

なぜなら、バラムが主に尋ねると、主の答えが次のようにあったからです。

「あなたは彼らと一緒に行ってはならない。また、その民をのろってもいけない。その民は祝福されているのだから。」(民数記,22章12節より)

主が祝福された者をのろうことは、主なる神の意志に反することになります。

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モアブの王は、一旦は断られます。

しかし、モアブの王は、諦めませんでした。

今度は、モアブの長を送ります。

バラムに対して、報酬か、罰かを、問うたのです。

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このときのバラムは、主なる神の意志を聞いて、既に知った立場です。

バラムが主に忠実であるなら、モアブの長の依頼を断ったでしょう。

しかし、バラムは、迷います。そして、もう一度、主に尋ねます。

このときの主の答えは、こうです。

「この者たちがあなたを招きに来たのなら、立って彼らと一緒に行け。だが、あなたはただ、わたしがあなたに告げることだけを行え。」(民数記,22章20節より)

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一度目、主の答えは「行ってはならない」でした。

一方、二度目のときは、主の答えは「行け」でした。

ここで、「行ってはならない」はずなのに、「行け」と主は言われました。

なぜでしょう。その理由は、バラムが身をもって知ることになります。

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翌朝、バラムは、ロバに鞍をつけて、モアブの長たちと出発します。

すると、神の怒りが燃え上がり、主の使いが抜き身の剣を持って、道に立ちはだかります。

ロバは、それを見て、道からそれて畑に入ります。

一方のバラムは、主の使いが見えなかったのでしょう、ロパを打って道に戻そうとします。

これが、三度も繰り返されます。

しまいには、ロバが、こう言います。

「あなたのろばではありませんか。私がかつて、あなたにこのようなことをしたことがあったでしょうか。」(民数記,22章30節より)

ロバが道を避けるのは、ちゃんとした理由があったということです。

ここで初めて、主は、バラムの目の覆いを除かれます。

そのとき、バラムは、主の使いが抜き身の剣を持って道を塞いでいるのを見ます。

このようにして、迷いのあったバラムは、主の意志を我が身をもって知ることになります。

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このバラムの迷いは、新約聖書のペテロ書簡にも、次のように取り上げられています。

バラムは不義の報酬を愛しましたが、自分の不法な行いをとがめられました。口のきけないろばが人間の声で話して、この預言者の正気を失ったふるまいをやめさせたのです。(ペテロの手紙第二,2章15節~16節より)

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人には、自由意志もあるし、迷いもあります。

そのため、主の意志を知ったとしても、バラムのように振る舞うことはあるでしょう。

しかし、そのときには、バラムのように無駄な努力をすることになるでしょう。

そうなったら、遅ればせながらも、主の意志を身をもって知ったことに、感謝しましょう。