【日々のレーマ】
創世記,37章26節~27節より
弟を殺し、その血を隠しても、何の得になるだろう。さあ、ヨセフをイシュマエル人に売ろう。
【追記】
ヤコブの息子たち兄弟の話です。
兄弟の中でヨセフは、父ヤコブから、特に愛されます。
そのことを、他の兄たちは、ひどく嫉妬します。
そして、兄たちは、弟ヨセフを殺す悪巧みをします。
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創世記で、兄が弟をねたみから殺すという話は、先にもありました。
アダムの息子たち兄弟の話です。
このときは、兄カインが、弟アベルをねたんで、殺してしまいました。
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しかし、ヨセフのときは、違います。
兄であるルベンとユダが、他の兄弟たちを、それぞれに説得します。
このときのルベンとユダは、ヨセフを救いたいという思いは、一緒です。
しかし、二人の考えるところは、違いました。
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ルベンの考えは、ヨセフを穴の中に入れて、後で父の元に無事に帰そうとするものでした。
一見すると、ルベンの考えは、ヨセフを救う意味で、穏便です。
その場の解決には、近道でしょう。
しかし、他の兄たちとヨセフの確執が、これで収まるとは言えません。
兄たちのねたみが収まらないかぎり、いずれヨセフは兄たちに殺されたでしょう。
これでは、元の黙阿弥です。
ルベンの考えは、人間の意志による、その場限りだったといえます。
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一方、ユダの考えは、ヨセフを奴隷商人に売ってしまおうというものでした。
ユダの考えは、その瞬間においては、非人道的です。
多くの人は、このようなユダの考えに嫌悪感を感じるでしょう。
しかし、のちのちの結末まで見ると、ユダの考えが正解だったと分かります。
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奴隷として売られた先で、ヨセフは、エジプトの王に認められ、宰相にまで出世します。
そして、飢饉でエジプトに避難したヤコブ家庭を、ヨセフは救います。
救われたヤコブ家庭は、かつて殺そうとまでしたヨセフと、感動の再会を果たすのです。
ここにおいて、ヨセフと兄たちの確執は、解消されます。
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このあと、このユダの血統にダビデが生まれ、そのダビデの血統からイエス様が生まれます。
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ここまで先々を見るなら、ユダの考えと行動には、神様の意志が働いていたとみることができるでしょう。
弟ヨセフを殺そうという悪巧みに対しても、そこに神様の意志が働くなら、善い結果に結びつくという実例になります。