絶望にあきらめず、自らを守る勇気

【日々のレーマ】

エステル記,4章13節
モルデカイはエステルに返事を送って言った。「あなたは、すべてのユダヤ人から離れて王宮にいるので助かるだろう、と考えてはいけない。

【追記】

エステル記は、バビロン捕囚から開放されたのち、ペルシャに残った古代ユダヤ人モルデカイとその養女エステルの話です。

エステルは、ペルシャ王の目にかなって、王妃になっていました。

・・・

一方、王は、重臣ハマンの謀略にはまって、国内のユダヤ人すべてを虐殺する日を定めてしまいました。

この民族的な危機に対して、モルデカイは、王妃エステルに助けを求めます。

しかし、エステルは、たとえ王妃であろうと、ペルシャ王のもとを許可なく訪ねる者は死刑になるからと、助けを断ります。

そこで、モルデカイは、エステルにこう伝えます。

あなたは、すべてのユダヤ人から離れて王宮にいるので助かるだろう、と考えてはいけない。(エステル記,4章13節より)

あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、このような時のためかもしれない。(エステル記,4章14節より)

この言葉によって、エステルは、自分が神様から与えられた使命を、悟ります。

そして、エステルは、命がけで、王にユダヤ人虐殺の取り消しを求めます。

しかし、王は、一度定めた法律を取り消すことができません。

そこで、王は、虐殺を取り消す代わりに、自衛のために闘う権利を古代ユダヤ人に与えます。

その結果、ペルシャ国内の古代ユダヤ人は、自衛の権利を得て、生き残ります。

・・・

この物語を通して、次の教訓が得られます。

王妃エステルのようにどんなに高い位置につこうと、民族としての運命からは逃れられないこと。

そして、どんなに絶望的な運命の中でも、神様は自らを守る権利を与えてくださること。

なによりも、エステルの勇気を通して、人々は自衛する勇気を得たのでした。