怨みの原因と、その解決へ

【日々のレーマ】

歴代誌第二、10章15節
王は民の願いを聞き入れなかった。神がそう仕向けられたからである。それは、かつてシロ人アヒヤを通してネバテの子ヤロブアムに告げられたことばを主が実現されるためであった。

【追記】

歴代誌第二の10章では、レハブァム王が、減税を願う民の願いに耳を貸さなかったため、ヤロブアムがクーデターを起こして古代イスラエル王国が南北に分裂します。

確かに、レハブァム王の失政と、反逆者ヤロブァムの野心によって、古代イスラエル王国は、南ユダ王国と北イスラエルに分裂しています。それが、目に見える歴史です。

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しかし、冒頭の文章には、『神がそう仕向けられたからである。』とあります。

それは、列王記第一の11章27節から39節において、預言者アヒヤを介して神様が語られています。

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要約すれば、こうなります。

ソロモン王の時代に、異国の妻たちが、偶像による信仰を、古代イスラエル王国に持ち込みます。

その結果、国をあげて偶像を崇拝し、神様の道を歩まなくなります。

そこで、神様は、ソロモン王の次の代に、王国を2つに裂くことを予定されていたのです。

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そこまで歴史をさかのぼると、レハブァム王の失政と、反逆者ヤロブァムの野心は、イスラエル分裂の始まりのきっかけに過ぎません。

本当の原因は、国全体にはびこる偶像崇拝の罪でした。

その原因を元から解消しなければ、問題は解決しません。

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では、イスラエルの偶像崇拝という原因は、解消されたでしょうか。

いいえ、解消されませんでした。

反逆者ヤロブァムと10部族が建国した北イスラエルは、南ユダ王国のエルサレム神殿をライバル視して、偶像崇拝を国家信仰として盛大に継続したのです。

分かれた10部族は、民を苦しめたレハブァム王の失政を怨んでいました。

そのため、イスラエル分裂の本当の原因まで考えが及ばなかったと思われます。

結末として、北イスラエルは滅亡し、歴史の表舞台から10部族は消えます。

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目の前で起きていることは、始まりのきっかけに過ぎません。

そのきっかけで起きた出来事を、怨んではいけません。

怨みの最終結末は、滅亡だからです。

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本当の原因を神様に尋ねて、その原因を解消することが、分裂による怨みを解決する近道になります。