【本日のリマ】
哀歌2章9節
彼女の城門は地に沈み込み、主はそのかんぬきを打ち壊して砕かれた。その王も首長たちも異邦の民の中にあり、もはや律法はなく、預言者たちも、主からの幻を見出さなかった。
【追記】
哀歌2章は、敵国バビロンによってエルサレムが滅びる様子をうたっています。
冒頭の聖句で《彼女》とは、シオンのことです。
シオンとは、エルサレムにあって神殿(その中の契約の箱)がおかれる丘を呼ぶ名前です。
そこから、シオンは、契約の箱に集う《選びの民》を一括りに象徴する名前でもあります。
聖書の中では、《娘シオン》という女性表現で擬人化され、たびたび登場します。
神様は、主体であって父なる神です。それに対して《選びの民》は対象の位置ですから《娘シオン》という女性表現になります。
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さて、哀歌の作者は、エルサレムを滅ぼすのが敵国バビロンとは書いていません。
滅びの原因は、神様が預言者を通して警告していたのに耳を貸さなかった《娘シオン》です。
《娘シオン》は、都合のよいごまかしの幻をみていたのです。(哀歌2:14参照)
そのため、敵国バビロンではなく、神様ご自身がエルサレム神殿を滅ぼすと書いているのです。