【日々のリマ】
エステル記6:2
その中に、入り口を守っていた王の二人の宦官ビグタナとテレシュが、クセルクセス王を殺そうとしていることをモルデカイが報告した、と書かれているのを見つけた。
【追記】
エステル記は、ペルシャ王の王妃になったユダヤ人の娘エステルが、家臣ハマンによるユダヤ人の根絶計画を阻止する話です。
モルデカイは、そのエステルの養父になります。
モルデカイは、エステルがペルシャ王のもとに入ると、エステルのことを心配して毎日のように王の門に立つようになります。
そこで、モルデカイは、ペルシャ王を暗殺する企みをたまたま知ることになります。
モルデカイは、そのことをエステルに告げて、王を救います。
モルデカイの手柄は、王の年代記に記録されますが、王はモルデカイへの褒美を忘れます。
その頃、家臣ハマンは頭角をあらわし、王の門にいる家来はハマンが通過するたびに、膝を屈してひれ伏すようになります。
一方、王の門に立つモルデカイだけは、ハマンに頭を下げません。
モルデカイにとっては、もとから神以外の権威に頭を下げる理由がなかったからでしょう。
(あるいは、そこまでの意味はなく、単にモルデカイが無愛想だっただけかも知れません)
ハマンは、ユダヤ人であるモルデカイの態度に腹を立てて、王の権威を借りてユダヤ民族の根絶計画をたてます。
ハマンは、後のヒットラーのような神に反逆する危険人物だったと分かりますね。
ここまでエステル記を読むと、モルデカイの無愛想がユダヤ人根絶の危険を招いたようですが、その後は違ってきます。
ある夜、ペルシャ王は眠れずに年代記を読んでいて、モルデカイの手柄を思い出します。
そこで、王は、ハマンを呼んで、モルデカイへの褒美をどうするか相談するのです。
ここは笑い話のようですが、あろうことかハマンはそれを自分への褒美と勘違いするのです。
そこで、ハマンは、考えられる限りの権威を褒美に与えることを提言します。
ここから話が逆転します。
ハマンは、ユダヤ人の根絶計画を立てたことが、結果として身の破滅を招きます。
神様の配役は常に奥妙であって、ハマンの勘違いも含めて、モルデカイとエステルをもってユダヤ民族の根絶計画が防がれる形になります。
かなり話を端折っているので、気になる方はエステル記をお読みください。