【日々のレーマ】
創世記,49章10節
王権はユダを離れず、王笏はその足の間を離れない。ついには彼がシロに来て、諸国の民は彼に従う。
【追記】
旧約聖書を読む際に、注目する点は、その時代時代において、イエス様を誕生させる肉の血筋がどこに存在していたかです。
その意味で、旧約聖書の主人公も、イエス様、すなわちキリストの存在だったのです。
そのイエス様に至る道をガイド代わりに読むなら、旧約聖書の長い歴史に如何に多くの人物が登場しようと、本題からずれることがありません。
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例えば、創世記の終盤は、どうでしょう。
多くの人は、創世記の終盤、ヨセフが主人公であったと思うでしょう。
それは、奴隷商人に売られたヨセフが、エジプトの地で単身苦労して出世し、飢饉にあう父ヤコブの一族を救うからです。
そんなヨセフは、何よりも、ヤコブが最も愛した妻であるラケルの子でした。
父ヤコブも、愛するラケルが産んだヨセフのことを、特別に愛していました。
ヨセフには、誰よりも明るい未来の光を感じたでしょう。
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しかし、この時代のイエス様につながる肉の血筋は、ヨセフではありません。
ヨセフの兄ユダのもとにありました。後のユダ部族の祖になる人物です。
そんなユダは、ヤコブに愛されなかった不遇の妻レアの子でした。
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そんな日陰の立場のユダは、実は神様から一番の祝福を受けていたのです。
それが、冒頭のヤコブによる、次のような祝福です。
『王権はユダを離れず、王笏はその足の間を離れない。』(創世記,49章10節より)
ここでの『王権』は、ヘブライ語では、力を表す『杖』の意味です。
また、『足の間』とは、ヘブライ語では、肉の血筋である『陰部』の婉曲表現です。
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そして、次の祝福に続きます。
『ついには彼がシロに来て、諸国の民は彼に従う。』(創世記,49章10節より)
『シロ』は、ヘブライ語では、救世主であるキリストを指す暗語です。
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このように、ヨセフを主人公にして創世記を読んでいては分からない点が、後の世のイエス様をガイドにすることで浮かび上がるのです。