【日々のレーマ】
ヨエル書2章13節より
あなたがたの着物ではなく、あなたがたの心を引き裂け。あなたがたの神、主に立ち返れ。
【追記】
衣を引き裂くとは、嘆きの心情を身体表現する行為です。
旧約聖書に何度も登場する最上級の嘆きになります。
しかし、それは外見的な表現でもあります。
そのため、周囲に嘆きを強制する同調圧力にもなります。
例えば、マルコ14章63節では、大祭司が、罪なきイエス様に罪を着せる際に、自分の衣を引き裂いています。
これなどは、罪の証拠なくイエス様をさばくために、周囲の異論を封じる行為だったでしょう。
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一方、ヨエルに対する主の言葉は、【あなたがたの着物ではなく、あなたがたの心を引き裂け】でした。
外的に着物を切り裂いただけでは、心の善悪は分立されたとはいえません。
そこで、心の善悪を引き裂いて、悪なる罪から離れて神様に立ち返りなさいというわけです。
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ここで、後半の【主に立ち返れ】の意味についても、さらに考えてみましょう。
【立ち返る】の原語シューヴは、しばしば【悔い改め】と翻訳されます。
しかし、【悔い改め】という翻訳では、個人の「心の内省」と「行動の改め」にとどまります。
原語シューヴが本来持つ、【立ち返る】の意味が失われます。
それは、罪の状態から立ち返って神様の元へ戻るという、復帰の方向性を明確にする意味合いが失われるのです。
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そこで、最近の聖書翻訳では、「罪を悔い改め」と翻訳されていた箇所を、原文に忠実に解釈するため、「罪から (主に)立ち返る」と翻訳することが主流になっています。
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私たちも、「悔い改め」を自分個人の心持ちで済ませずに、「罪から主に立ち返る復帰の方向性」と言い直して考えましょう。