《キリスト》の称号とは

【本日のリマ】

マルコの福音書1章1節
神の子、イエス・キリストの福音のはじめ。

【追記】

ギリシャ語の《キリスト》は、《メシア》すなわち油注がれた者と同じ意味になります。

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ところが、油注ぎは、古代イスラエルにおいて王の任命に際して行われる、一般的な儀式でもありました。

そのため、旧約聖書には、メシアの称号を持つ者として、複数の王(ダビデやサウルたち)が登場します。

そうしてみると、旧約聖書の《メシア》は、古代イスラエルの王を指す一般的な称号も兼ねていたことになります。

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各国語版の旧約聖書では、これらイスラエル王の称号を原語のまま《メシア》と訳さず、原意にまでさかのぼって《油注がれた者》とあえて訳しているのは、イエス様との混乱を避けるためでしょう。

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一方、万国共通の新約聖書において、ギリシャ語の《キリスト》は、イエス様を指す固有の称号として使われています。

それは、神様の右側から無原罪で地上に生まれたかたが、アダムから数千年を経て、イエス様だったためでしょう。

そのため、《キリスト》は、この世の儀式で油注がれただけを指す称号ではありません。

《キリスト》は、《神様の右側から無原罪で地上に生まれた方》を指し示す固有の称号と考えることができます。