【本日のリマ】
ナホム書3章14節
包囲の日に備えて水を汲み、おまえの要塞を強固にせよ。泥の中に入り、粘土を踏みつけ、れんがの型を取れ。
【追記】
アッシリアは残虐な国で、侵略した先の国々において、容赦のない略奪と流血を繰り返していました。
また、アッシリアには多数の偶像が立ち並び、女呪術師の淫行など、国全体が異教に染まっていました。
そこで、神様は、預言者ナホムを通して、アッシリアの都ニネベが滅ぶことを宣告します。
事実、紀元前612年の《ニネベの戦い》において、ニネベは長い攻防戦と激しい市街戦の末に陥落します。その三年後に、アッシリアは滅亡します。
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その滅びの宣告の際中にありながら、冒頭の一節には、神様による救済の意思が認められます。
包囲の日に備えて水を汲み、おまえの要塞を強固にせよ。泥の中に入り、粘土を踏みつけ、れんがの型を取れ。(ナホム書3章14節より)
これと同じことは、ナホム書2章にも、神様による救済の意思として認められます。
塁を見守り、道を見張れ。腰を強くし、大いに力を奮い立たせよ。(ナホム書2章1節より)
このように、たとえ不義ゆえに国が滅んでも、ニネベの民が生き延びて更生することを、愛なる神様ゆえに真実に願っています。
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かつてのニネベと言えば、聖書のヨナ書が、思い出されます。
ヨナ書の時代も同じく、神様は、罪ゆえにニネベの滅びを予定されています。
そこで、預言者ヨナが、滅びをニネベに宣告します。
その滅びの宣告を聞くと、ニネベの人々は、たちまちに回心し、更生します。
その結果、神様は、ニネベに対する滅びの予定を撤回します。
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ヨナ書は、人々が自らの自由責任で更生すれば、神様が一旦立てた滅びの予定さえも撤回すること。そのような救済の形があることを、証明します。
その神様の救済の意思は、ヨナ書において、こう表現されます。
ましてわたしは、この大きな都ニネベを惜しまないでいられるだろうか。そこには、右も左も分からない十二万人以上の人間と、数多くの家畜がいるではないか。(ヨナ書4章11節)
ここに、義なる神様であって不義を裁かれると共に、根底において救済の機会を与える愛なる神様のご意思が顕れるのだと、解釈できます。