メルキゼデクの例に倣うとは

【本日のレーマ】

ヘブル人への手紙7章13節
私たちがこれまで語ってきた方は、祭壇に仕える者が出たことのない、別の部族に属しておられます。

【追記】

キリストであるイエス様は、天地創造される神様の右側におられて、そこから地上にお生まれになりました。

地上でのイエス様は、神の御子として平和の王であり、同時に神様に使える大祭司の立場に立ちます。

当時の古代イスラエルにおいて、神様から油注がれた正統な王の家系は、ユダ族のダビデ王の家系になります。

イエス様の肉の養父であるヨセフと母マリアは、どちらもダビデ王の家系の人間です。

そのため、キリスト教に改宗したユダヤ人にとっては、ダビデ王の家系に生まれたイエス様を、王として地上に迎えることは、知ってみれば納得のいくことでした。

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一方、古代イスラエルにおいて、神に仕える祭司の家系は、王様の家系とは違っていました。

神様から油注がれた祭司の家系は、モーセの時代のレビ族アロンから始まる家系になります。

そのため、当時のユダヤ人にとっては、大祭司アロンの家系に生まれていないイエス様を、神に仕える大祭司として迎えることに、心情的な葛藤がありました。

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そもそも男系社会であった古代イスラエルにおいて、王としてダビデ王の正統な男子の血を引きながら、同時に大祭司アロンの正統な男子の血を引くことは、神の霊として地上に生まれるイエス様にあっても、地上での奇蹟が必要なことでした。

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冒頭のヘブル書簡は、そんなイエス様に対する葛藤を抱えるユダヤ人たちに向けて、そのことを素直に認めています。

私たちがこれまで語ってきた方は、祭壇に仕える者が出たことのない、別の部族に属しておられます。(ヘブル書簡7章13節より)

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そこで、ヘブル書簡は、詩篇に誓われた神様の言葉に立ち戻っています。

 主は誓われた。思い直されることはない。 「あなたは メルキゼデクの例に倣い とこしえに祭司である。」(詩篇110編4節より)

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メルキゼデクとは、ユダヤ人の祖であるアブラハムの時代の人物になります。

彼は、創世記に、このように登場します。

また、サレムの王メルキゼデクは、パンとぶどう酒を持って来た。彼はいと高き神の祭司であった。(創世記14章18節より)

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メルキゼデクは、サレム(すなわち後にエルサレムになる地)の王様でした。

それと同時に、いと高き神の祭司でもありました。

そんなメルキゼデクは、パンとぶどう酒をもって、アブラハムに祝福を与えています。

神様から見ると、メルキゼデクは、祝福を与える霊の立場において、ユダヤ人の肉の祖であるアブラハムよりも高い位置にいたことになります。

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このことは、平和の王として生まれながら、神様に仕える大祭司としても生まれ、さらには霊の立場において、地上の人間よりも高い位置に立たれる方イエス様、すなわちキリストとしての型を教えています。

神様は、そのことを前から準備して、人間に教えていたことになります。それほどに、神様は御子キリストと人間を愛されています。